幼い頃、絵ばかり描いていました。
特に、女の子の絵ばかり描いていました。
描いた女の子たちはやがて自我を持ち、お話をしてくれて、幼い私の寂しさを紛らわせてくれるのです。
女の子たちはひとりひとり名前がついていて、可愛い髪型で可愛いお洋服を着て、可愛いお家に住んでいます。
自由帳を開くと、そこには私の理想が少しずつ重なり合った世界がありました。
私は私の理想の世界を生み出し掌握している。今思えば、女の子の絵ばかり描いてお友達が増えたような気がしていました。
当時、絵を描くことが何よりも楽しくて、テレビやゲームなんかよりも何倍も楽しくて、一人でお留守番をする時は思う存分絵を描けることが嬉しくて、時間を忘れてしまう程夢中になれるものでした。
自由帳と鉛筆があれば私は満たされていました。
描いた女の子たちの中で、今でもずっと心の中に居る女の子がいます。
苺子ちゃんという女の子です。
苺子ちゃんはふわふわの長い髪の、苺味のポッキーが好きな女の子です。当時小学生の私からは随分とお姉さんだった高校生の苺子ちゃんは、苺子ちゃんより年上になった今でもずっと私の憧れのお姉さんのままなのです。
苺子だけなんです。こんなにはっきりと覚えているのは。
それ程に苺子には圧倒的な引力があり、まさに「苺の宇宙」な女の子だと思います。
私は私を解放出来つつある。けれどもやっぱり私の理想は苺子であり、
私が生み出した苺子に私は成りたかった。
中心にいる女の子は苺子ちゃんではありませんが、数ヶ月前、真夜中に衝動に駆られて描いた絵です。
何時か、苺子の絵も載せたいな
おやすみなさい