苺宇宙交信日記

宇宙と交わった日々の記し

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

恋人

朝、フレンチトーストの匂いで目が覚めることは幸福か 夜、バニラ香るベッドシーツで眠りにつくことは幸福か あなたの世界の真実はあなただけが知っているのだなあと思うまいにち どなたも見たことのない世界を、あなたは知っているのです ✴︎ 恋人、っていう…

霞む

真夜中、マンホールの鉄蓋を見つめて そして、月を見つめる ああ すごくきらきらしてる 雨上がりの澄んだ空気と 紫陽花から溢れる露が わたしの明るさを思い出させる 暗い闇の中で月に照らされた鉄蓋は まだ大丈夫だよと やさしくささやいた

無傷

奪われた気がした。もう、何度目か。 私の大切な言葉を、さも自分だけの大切かのように扱わないで。そう思った。 言葉は万人が所有者である。 それでも、どうして私の美学を当然の様に、平然と、奪ってしまえるのだろう、そう思わずには居られなかった。これ…

水無月

朝日が差し込む リボンのかがやきは何時までも消えない 何時までも女を讃える。女にしかみることの出来ない天国をみたか。 女であることは 真っ当に美しい 完全に救われてしまうということは無くとも ふと宙に浮いたように、苦しみからぱっと離れる日はやっ…

人魚の肉

私は3年に一度、人魚の肉を吐く 薄ピンクの肉塊を吐き出す それはとつぜんに くる ウッと吐き出すと、そこには人魚の肉があった おそるおそる触ってみると やわらかい 暫くシンクに居たそれは 何時の間にか消えた きっと 海にかえった ✴︎ 実際、 人魚の肉な…

硝子

だれしもがひそやかに傷をもっている だからひとはときどき美しい 透明なものなんて わかりやすくうつくしくて 繊細なことなど 誰しもがわかっているのに それでも痛む そういうものなのだ いまきみを救うものが正論じゃなくたってそれで良い 連日、精神が私…

真昼の月

そよ風が心地よいのは、きっとあのこが私を撫でてくれているからだと思う ✴︎ 発熱していると世界が浮いてみえて、肉体が精神を追い越してゆく。 ハイになった精神は肉体を統治できずに、そこには空白だけが募る 肉体の現れ方は本当に精神的で、精神の現れ方…

夏が夏をしている、僕だけを取り残して

ひと夏の思い出とか夏に出逢う少女とか、人類は夏にくすぐられすぎだと思います 夏は高揚感も感傷的な雰囲気も兼ね備えていますものね 反射する世界に想いを馳せることは夏の醍醐味ですから。 夏に頼り切ってしまいたくないと思いつつも、 夏の要素が散りば…

悪夢について_ある日の夢 #3

ある日の夢 (少々過激な内容も含んでいますので、苦手な方はご注意ください) 以下、夢の内容 私はパーティ会場にいた。 参加者のなかにSNSでの誹謗中傷に悩む女性がいた。その女性と話しているうちに、私は何気ない一言でその女性を怒らせてしまった。 女…

約束

友人から 「ともだちとか家族とか、色んな人の顔を、男とか女とか関係なく思い浮かべてみたけど、〇〇ちゃん(私)にしか会いたくないって思った、〇〇ちゃん(私)にしか救われないって思った」 と言ってもらえたことがあります。 友人はおおきな悲しみにく…

エメラルドの春

わたし、気分が良いときにときどき、目の前にいるひとにある質問をするんです。 「もしも今目の前に、初対面のすごく素敵な人がいたとして、その人に三つしか質問してはいけないとしたら、なんて質問する?」 あるひとは、 「自分は背が高い方じゃないから、…

溶けない

ソフトクリームが白い液体に変わる様子をじっと見ていた。 ベタつく指を喉奥まで押し込む。 嗚咽が、僕が僕を受け入れないみたいでムシャクシャする ノストラダムスになれない僕のブルーを誰にも分からせてやらない ハリボテのシックス・センス 存在する言い…

きれいごと

あなたがもしも暗闇だとして あなたにたいせつな光が居るとしたら あなたはその光がより明るく輝ける場所 暗闇で光のまわりはより一層明るくひかる けれども私は思います あなたがどれだけ暗く深い闇のなかにいようと 私の、だいじなこの場所に 出逢ってくれ…