苺宇宙交信日記

宇宙と交わった日々の記し

恋人

朝、フレンチトーストの匂いで目が覚めることは幸福か 夜、バニラ香るベッドシーツで眠りにつくことは幸福か あなたの世界の真実はあなただけが知っているのだなあと思うまいにち どなたも見たことのない世界を、あなたは知っているのです ✴︎ 恋人、っていう…

霞む

真夜中、マンホールの鉄蓋を見つめて そして、月を見つめる ああ すごくきらきらしてる 雨上がりの澄んだ空気と 紫陽花から溢れる露が わたしの明るさを思い出させる 暗い闇の中で月に照らされた鉄蓋は まだ大丈夫だよと やさしくささやいた

無傷

奪われた気がした。もう、何度目か。 私の大切な言葉を、さも自分だけの大切かのように扱わないで。そう思った。 言葉は万人が所有者である。 それでも、どうして私の美学を当然の様に、平然と、奪ってしまえるのだろう、そう思わずには居られなかった。これ…

水無月

朝日が差し込む リボンのかがやきは何時までも消えない 何時までも女を讃える。女にしかみることの出来ない天国をみたか。 女であることは 真っ当に美しい 完全に救われてしまうということは無くとも ふと宙に浮いたように、苦しみからぱっと離れる日はやっ…

人魚の肉

私は3年に一度、人魚の肉を吐く 薄ピンクの肉塊を吐き出す それはとつぜんに くる ウッと吐き出すと、そこには人魚の肉があった おそるおそる触ってみると やわらかい 暫くシンクに居たそれは 何時の間にか消えた きっと 海にかえった ✴︎ 実際、 人魚の肉な…

硝子

だれしもがひそやかに傷をもっている だからひとはときどき美しい 透明なものなんて わかりやすくうつくしくて 繊細なことなど 誰しもがわかっているのに それでも痛む そういうものなのだ いまきみを救うものが正論じゃなくたってそれで良い 連日、精神が私…

真昼の月

そよ風が心地よいのは、きっとあのこが私を撫でてくれているからだと思う ✴︎ 発熱していると世界が浮いてみえて、肉体が精神を追い越してゆく。 ハイになった精神は肉体を統治できずに、そこには空白だけが募る 肉体の現れ方は本当に精神的で、精神の現れ方…

夏が夏をしている、僕だけを取り残して

ひと夏の思い出とか夏に出逢う少女とか、人類は夏にくすぐられすぎだと思います 夏は高揚感も感傷的な雰囲気も兼ね備えていますものね 反射する世界に想いを馳せることは夏の醍醐味ですから。 夏に頼り切ってしまいたくないと思いつつも、 夏の要素が散りば…

悪夢について_ある日の夢 #3

ある日の夢 (少々過激な内容も含んでいますので、苦手な方はご注意ください) 以下、夢の内容 私はパーティ会場にいた。 参加者のなかにSNSでの誹謗中傷に悩む女性がいた。その女性と話しているうちに、私は何気ない一言でその女性を怒らせてしまった。 女…

約束

友人から 「ともだちとか家族とか、色んな人の顔を、男とか女とか関係なく思い浮かべてみたけど、〇〇ちゃん(私)にしか会いたくないって思った、〇〇ちゃん(私)にしか救われないって思った」 と言ってもらえたことがあります。 友人はおおきな悲しみにく…

エメラルドの春

わたし、気分が良いときにときどき、目の前にいるひとにある質問をするんです。 「もしも今目の前に、初対面のすごく素敵な人がいたとして、その人に三つしか質問してはいけないとしたら、なんて質問する?」 あるひとは、 「自分は背が高い方じゃないから、…

溶けない

ソフトクリームが白い液体に変わる様子をじっと見ていた。 ベタつく指を喉奥まで押し込む。 嗚咽が、僕が僕を受け入れないみたいでムシャクシャする ノストラダムスになれない僕のブルーを誰にも分からせてやらない ハリボテのシックス・センス 存在する言い…

きれいごと

あなたがもしも暗闇だとして あなたにたいせつな光が居るとしたら あなたはその光がより明るく輝ける場所 暗闇で光のまわりはより一層明るくひかる けれども私は思います あなたがどれだけ暗く深い闇のなかにいようと 私の、だいじなこの場所に 出逢ってくれ…

薔薇と生命

誰にも言いたくない程に特別な思い出や 誰にも教えたくない程の大切なものを 私は此処で話せる居場所があることがとても嬉しいです 私が敬愛してやまない谷川俊太郎先生の詩の一文をご紹介します。 「散文をバラにたとえるなら 詩はバラの香り 散文をゴミ捨…

苺みるくの復讐

昨晩、色んな人のブログを読みました。 特に、女の子達のブログを読みました。 高校生の少女達の日常は 綺麗で、生々しく、そしてありふれていて、 揺れ動く感情の狭間で溺れない様にしがみついていた 少女が街を出る時 少女に一番に想いを馳せるのは 少女の…

孤独は光

星空のみえるところで息をしていますか。 iPhoneの明かりで星が見えなくなったこと 林檎の光が狭いワンルームを照らす 生きていくうえで、孤独とどれだけ向き合えるのか、孤独をどれだけうまく飼い慣らせるか、が人間としての度量が試されると思うんです 私…

ゼリー

半透明につやんと輝くゼリーの様に 甘さと瑞々しさを保つ 私の名前を呼んで、私の感性を瑞々しいと言ってくれた人が居ます 私は、私の感情をゼリーでちゃんとコーティング出来ていましたか ✴︎ 名前は、愛の詩なのです 口に含めば甘い ママとおなじ名前のとも…

林檎

私は、七夕のお願いに「林檎を沢山食べられます様に」 と書くくらいに林檎を愛してやまなかった幼少期でしたが、 当時はどうも焼いた林檎はあまり好みでは無くて 焼き林檎は食べられませんでした 当然、アップルパイもタイプじゃ無かったのですが、 ママのア…

あなたの眩さを知っています ぽろぽろとこぼれ落ちた大粒の涙はあなた自身であり、 濁りも無く透き通る眩さがきっとあなた自身なのです その不器用さはいじらしく 本当のことを口にするとき 身を震わせてしまう程の誠実さが あなたを蝕んでしまう あなたの眩…

夕立

夏の日の夕立が好きです 夏の日の夕立といえば、思い浮かぶ情景があります 夕方、冷房の効いた部屋の窓から小さな川を見つめていました 雨が上がり窓を開けると、 雨上がりの独特な匂いが記憶を運び、涼しさがやけに哀しい オレンジに溶ける水色は何時も何処…

ある日の夢 #2

ある日みた夢の話をします。 こんな夢をみた。 腹を十字に切りつけられた。 私は痛かった。 何者かに切り付けられた傷跡は、 やがてピンク色の十字架のあとに成り、私は神様になった。 私は夢のなかで 「神様って、こうして成ってゆくんだ」 と、痛みと意識…

彗星

五歳の頃 真夜中の空に流れ星を見つけました 生まれて初めて見た流れ星でした プラネタリウムの様な丸い星空のドームが私に覆い被さり、 本当に星が降ってくる様な夜で 子供ながらに現実と切り離された様な感覚がありました 流れ星に願い事をする時って、魂…

それだけ

スーツを着た男が タバコ屋で小銭を落として四つん這いで喚き出したのを見ました プツンと糸が切れたように、限界が来てしまったようにおもいました 輪郭を持たない浮ついた感覚の中で生きていたいのに よく分からない人達があなたの身体を何度も揺さぶって …

言葉へ

16歳の頃 持病でなかなか目を覚さない私に 15歳の少年は 「眠り姫みたいでかわいいね」と言いました 入退院を繰り返し 呼吸をすることで精一杯だった私にとって その言葉が私を構成する一部に成るには十分でした こうして何年経った今でも 時々思い出す程に …

おはよう

電車のドアの前に立って外を睨んでいる 硝子に透けた私の身体と景色が混ざり合う 雨の日の車内はきまっていつもより人が多く、 生暖かく皮膚に纒わり付いた空気と汗と香水と生活の断片が入り交じっていて、 沈んだ前髪の隙間から靴の裏で踏みつけられる雨の…

朝焼けと天国

高校生の頃、友人と二人で朝の海へ行った時の日記を見つけました。 海の起源は、たった一しずくの女の子のなみだだったって、寺山修司が言ってた。一しずくに思いを馳せ、また、しずくが零れる。 八月。 朝日の反射できらめいて、海は白かった。 制服のシャ…

苺子ちゃん

幼い頃、絵ばかり描いていました。 特に、女の子の絵ばかり描いていました。 描いた女の子たちはやがて自我を持ち、お話をしてくれて、幼い私の寂しさを紛らわせてくれるのです。 女の子たちはひとりひとり名前がついていて、可愛い髪型で可愛いお洋服を着て…

いぬについて

いぬという生命体は、愛の塊かつこの世の正解で、この先幸せしか感じて欲しくないし、森羅万象からの途轍もなく溢れる愛が日々絶え間なく降り注いでいて欲しいと思うわけですよ。 寿命を半分どころか全てあげたって良い・・まあ、いぬにも都合がありますから…

容姿はただの容れ物

何かを見て、何かを聴いて、自分が解放されたような感覚を覚えたことはありますか。 数年前、夏休みが明けた頃 それまでワンピースばかり着ていた友人が 目の周りと唇を真っ黒に塗り、キャミソールとパンツスタイルになっていたんです 私はそれをすごくよい…

ある日の夢

私は、毎日の夢の内容をよく覚えている方です 先日の夢の話をします。 ある日の夢 夢の中ではもうすっかり夏でした。 場所は海?なのかな。 「夏って言われた時の満足度が高い見た目で居たい」 そう言っていました。 つまりどういうことかと言うと、 夏!の…